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2019年10月12日 (土)

「ロウソクの科学」

ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが、小4の時に先生に勧められて読み、科学者になるきっかけとなったという19世紀英国の科学者、ファラデーの「ロウソクの科学」を読みました。

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 私が中野の明屋書店でこの本を買ったのは、中1だった1983年。「秋だから読書を」という以外には、平積みになっており、160円という廉価だったというぐらいしか理由はありませんでした。

 ロウソクを使っての科学実験の話なのですが、そもそも理科が苦手な私は、まったく引き込まれず、10ページぐらいで挫折。その後も読まないまま眠り続けていました。

 この度、吉野さんが小4の時に読んだと聞いて、36年ぶりに再読。中学生の時の私が挫折したのは無理もありません。今読み返してもけっこう難しいのです。ただ、この1冊が科学の世界への開眼のきっかけとなるというのはなんとなく分かる気がしました。

 この本は1860年にファラデーが英国王位研究所で、少年少女向けに、燃焼時の物理・化学現象についてロウソクを題材にして行った講演を書籍化したものです。

 ロウソクを使って炎の源・構造について説明するところから始まり、燃焼のための空気の必要性、水の性質、空気の中の酸素、大気の性質・・・と展開していきます。現在、教育テレビなどの科学教育番組になじんでいる私たちにとっては、あまり斬新さはありませんが、19世紀の子どもたちは、生活の中でも必需品だったロウソクを使って展開する講義には知的好奇心をそそられたことでしょう。その生き生きとした様子は、この講演録から感じ取ることができました。

 吉野さんの受賞後、「ロウソクの科学」は品薄になっているそうです。もっとも一般的な岩波文庫や、角川文庫も売り切れ状態。ちなみに私が持っている京大名誉教授・吉田光邦訳の講談社文庫はすでに絶版。アマゾンで調べたら10014円という高額がついていました。購入時160円でしたが、36年で60倍以上、価値が跳ね上がったことになります。中1の時にこの1冊を買った自分を初めて褒めてやりたい気持ちになりました。

 

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甲斐毅彦

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