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2019年11月27日 (水)

「投げない怪物」

 ノンフィクションライター、柳川悠二さんの新刊「投げない怪物」(小学館)を読みました。今夏の高校野球で最大級の物議を醸したのは、岩手県大会決勝、花巻東対大船渡での出来事。MAX163キロのドラフトの眼玉、大船渡の佐々木朗希投手は國保陽平監督の「故障を防ぐため」という判断で登板せず。大船渡は2―12で大敗しました。

 肯定派と否定派が真っ二つに分かれたこの監督判断を筆者の柳川さんは「高校野球の歴史の転換点」ととらえています。高校球児の将来を守るという観点からどちらかというと「肯定派」の声が優勢の中で、現場を見続けた取材者として感じたのは「英断」として称賛することへの違和感でした。

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 2018年には典型的な先発完投型と言える金足農の吉田輝星が脚光を浴び、その翌年に起きた出来事だと思えば、確かに「転換点」だったと言えるでしょう。筆者は「先発完投」が消えた背景、現代のスカウト合戦、強豪校となるために必要な条件など様々な観点から、この「転換点」を検証しています。

 スポ魂漫画を彷彿とさせるようなボロボロになっても一人で投げ抜く投手が消え、盤石の継投策で、堅実な「勝利の方程式」を構築した学校が生き残っていくという流れは今後も進んでいくでしょう。その一方で、この夏の佐々木投手の「投げたかった」という悔いを蔑ろにして良いわけでもありません。

 簡単に割り切れる問題ではない。だからこそ、様々な観点から事実を把握した上での議論が必要でしょう。本書は、その叩き台とも成り得る好著です。

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コメント

 先輩、お久しぶりです。
コメントありがとうございました。
そうですね。本来ならば周りがどうこういうことではないのですが、ドラフトの目玉選手ですからね・・・。学生スポーツ全般についての建設的な議論になれば良いのではないかと思います。

どうも、ご無沙汰…。
色々考え方があると思いますが、所詮は高校生のクラブ活動です。我々が山岳部で山に登っていたのと同じです。周りがどうこういうことではなく、選手と監督とで好きなようにすれば良いことだと思うのですがね~。箱根駅伝もそうですが、クラブ活動なのですから、試合は選手達のもの、周りが騒ぎ過ぎ。高校野球はでかくなりすぎちゃいましたね。

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甲斐毅彦

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