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2020年10月

2020年10月31日 (土)

「私は女になりたい」

 山本周五郎賞など数々の文学賞を受賞している作家・窪美澄さんの新作「私は女になりたい」(講談社)を読みました。


 主人公は47歳の美容皮膚科医の女性。カメラマンの夫と別れ、シングルマザーとなり、仕事に力を注いでいく中で、ふとしたはずみで14歳年下の人と恋に落ちー。「これは最後の恋、なのだろうか」という自分への問いかけが、読後改めて心に突き刺さります。


 主に50代前後の女性を対象としていると思いますが、人生は思い通りにいかない。どこでどんな出逢いが待っているか分からない。描かれているのは、人間にとって普遍的なテーマです。もちろん、男にとっても同じことなのだと思います。

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2020年10月29日 (木)

「稼ぐ人は思い込みを捨てる。」

 新刊のビジネス書「稼ぐ人は思い込みを捨てる。」(坂口孝則著、幻冬舎)を読みました。

 「日本は起業しづらい」「日本人は会社が好き」といった巷で言われている固定観念も立ち止まって一つずつ考えてみれば、必ずしも正しくない。いろんなことに気づかせて頂けました。

 著者は製造業などでコンサルティングを業務を行ってきた調達・購買コンサルタント。現場を踏まえての説だけに説得力があります。

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2020年10月16日 (金)

「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」

 読みそびれていたノンフィクション作品「選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子」(河合香織著、文藝春秋)をやっと読むことができました。2019年の大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞のダブル受賞作。

 2011年、当時41歳の女性が、函館市の病院で受けた出生前診断で、医師から「異常なし」と伝えられていたが、生まれてきた男児はダウン症だった―。母親は誤診した医師と病院を相手に民事訴訟を起こしますが、提訴したことに対する母親への批判も巻き起こります。母親が提訴した真意は、いったい何だったのか。断片的な報道では、決して伝わらない真相に迫った大変な力作です。

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 障害がある子は産むべきなのか、中絶すべきなのか。それを決められるのはいったい誰なのか。著者は、この「命の選択」という局面に立たされた、母親をはじめ当事者たちを粘り強く取材。誰もが口が重くなるのが当然の題材でしょうが、それを聞き出していくことができたのは、想像を超える取材者の熱意と真摯な姿勢があったからではないでしょうか。

 生命倫理の観点からみても、法の観点からみても、もちろん明確な答えが出るわけではありません。誰かを悪者にして解決する問題でもありません。答えがないからこそ考え続けなくてはいけないテーマなのかもしれません。

 一人のノンフィクションファンとしては、一昔前に比べれば出版ジャーナリズムが苦境に立たされる中で、これだけの重厚なテーマに独力で迫られる書き手が健在であることが嬉しかったです。

甲斐毅彦

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