ブログ報知

スポーツ報知ブログ一覧

« 2021年1月 | メイン | 2021年3月 »

2021年2月

2021年2月19日 (金)

「ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介」

 「法医昆虫学捜査官」シリーズなどで知られる江戸川乱歩賞作家・川瀬七緒さんの最新作ミステリー「ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介」(講談社)を読みました。

 舞台は東京の高円寺南商店街。主人公は商店街にある小さな仕立て屋さんの店主。この仕立て屋さんがタダモノではなく、美術解剖学と服飾の知識を生かして、その人が着ている服を見ると、その人が受けて来た暴力や病気などの遍歴を見抜いてしまう。この特殊能力は、難航する殺人事件の捜査で役に立たないわけがない…。

 奇想天外な着想を得られたのは、川瀬さんご自身が文化服装学院出身のデザインの専門家であるからでしょう。かつてのインタビューで、デザイナーと作家の共通点について「無から何かを作り出す点、人と違う視点で物事を見る点が、似ている」と語られたそうですが、まさに新作は結晶と言えるでしょう。

 ネタばれを避けるために内容は避けますが、私自身の生活圏である高円寺を中心に巣鴨、錦糸町などなじみ深い都内のスポットが登場する新作は、引き込まれ、一気読みしてしまいました。本職のデザイナーによる新機軸ミステリーは、第二弾、三弾が今から待ち遠しいと感じさせるものでした。

 それにしても服に無頓着である私はいろいろ考えさせられました。自分が着る服で、他者にはいろんなものを見抜かれてしまっているかもしれない。服を甘く見てはいけないな、と肝に銘じました。

Photo

2021年2月14日 (日)

「真夜中のカーボーイ」

 編集者・評論家として活躍する山田五郎さんによる書下ろし小説「真夜中のカーボーイ」(幻冬舎)を一気読みしました。

 ダスティン・ホフマン主演の1969年の米映画の邦題と同じタイトルが付けられたこの作品は、出版社に勤める定年間近の「俺」に、高校時代の恋人から39年ぶりの電話がかかって来るところから始まります。再会した二人は、17歳の時にかなわなかった大阪から南紀白浜へのバイク旅行に出かけ…。

 意外な結末へと展開する「ロードノベル」は、構成の見事さに感嘆するだけでなく、自分自身の青春時代を思い出させずにはいられないものでした。世代を超えてお勧めできる作品です。

Photo

2021年2月10日 (水)

「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」

 「IQ180」の頭脳で注目を集める時代の寵児、オードリー・タン(唐鳳)の「デジタルとAIの未来を語る」(プレジデント社)を読みました。

 新型コロナウイルスの封じ込めに、成功した台湾と言われる台湾で、その中心的な役割を担ったのが、史上最年少閣僚となったこの人物。日本でも注目度が高まってきたテクノロジー界の異才が、コロナ対策成功の秘密、デジタルと民主主義、デジタルと教育、AIと社会・イノベーション、そして隣国日本についても語っています。

 一読して、めくるめく初耳の知見に驚かされたのですが、最も感銘を受けたのは、今後進んでいくデジタルやAIという叡智は、人間一人ひとりのためのものであり、真の民主主義を実現するためにあるという視点。「AIと人間の関係は、ドラえもんとのび太のようなもの」という説明は感動すら覚えるものでした。

 台湾のコロナ対策が成功しているのも、信頼をデジタルでつないだから。ここに説得力を感じました。是非お勧めしたい新刊です。

Photo

甲斐毅彦

2021年7月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

見出し、記事、写真の無断転載を禁じます。Copyright © The Hochi Shimbun.