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2021年8月

2021年8月28日 (土)

『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』

 大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したルポライター、安田峰俊さんの『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』(角川書店)を読みました。
 
 一昔前までの外国人労働者と言えば、中国人が多かったですが、経済成長を遂げつつある中国からわざわざ日本に稼ぎに来る旨味はほぼなくなり、現在のその代表格はベトナム人に移っています。
 

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 悪名高い「技能実習生」という就労している彼らの労働実態は、技能などを身に着けることができる仕事ではなく、ほとんどが低賃金での過酷な単純労働です。彼らを中心とする在日外国人問題についての日本の報道について、著者の安田さんは、①彼らを「かわいそう」とみる理想主義的なもの②在日外国人問題についてのデータを集積しただけのレポート③排外主義的なもの 以上の3つに分類できると分析しています。
 
 ステレオタイプの視点では、実態は見えてきません。安田さんは広範囲にわたって当事者たちを直接取材し、彼らの実像を描き出しています。読んで感じるのは「叩き出せ」型の排外主義は論外であるとしても、必ずしも「かわいそう」という枠にははまり切らない実態があるということです。
 
 少子高齢化がますます進んでいく中で、労働力を外国籍の方に依存する状況はますます進んでいくでしょう。共存の道を探るためにも、是非お勧めしたい一冊です。
 
 ちなみにタイトルの『「低度」外国人材』には、日本政府が経済成長等に貢献する高度な能力や資質を持った外国からの人材を「高度外国人材」と呼んでいることに対する皮肉が込められています。

甲斐毅彦

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