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2009年4月17日 (金)

映画「超高層のあけぼの」のDVD

 「超高層のあけぼの」という1969年公開の映画をDVDで見た。
今ではタイトルにあまり使わない「あけぼの」という言葉のあたりに、時代を感じさせるものがありますね。 

090416_160501_3  大阪万博の前年。公開時、まだ自分が2歳の時の作品。
内容はNHKのプロジェクトXでも取り上げられたことのある話で、日本初の超高層ビル(霞ヶ関ビル)完成に至るまでのドラマが描かれる。

地上36階、147メートルの建物が完成したのは41年前の4月18日のこと。

池部良、木村功、佐久間良子、新珠三千代、丹波哲郎、田村正和、
松本幸四郎(八代目)、伴淳三郎と出演者もなかなか豪華だ。

撮影までに相当な紆余曲折あったことが、冊子に綴られているがスタッフも大御所ぞろい。

原作→菊島隆三(『用心棒』など黒澤明作品のシナリオで有名)
脚本→工藤栄一(『十三人の刺客』を監督)
監督→関川秀雄(『きけ、わだつみの声』などでメガホン)
音楽→伊福部昭(『ゴジラ』『ビルマの竪琴』の音楽を担当)
撮影→仲沢半次郎(代表作に『飢餓海峡』『動乱』)
美術→中村修一郎(『新幹線大爆破』『人間の証明』を担当)

霞ヶ関ビル竣工40周年記念もあって3月に初めてソフト化。
当時それなりに話題になり、そこそこヒットしたのに、再上映もビデオもなかったという。
良好な状態でフィルムが見つかった「幻の作品」とある。

映画を取材していると、ちょっと大げさだなぁ、と思いつつも「幻の一本」と聞けば、パブロフの犬状態の条件反射のように目の色が変わってしまう私。

2時間40分の長尺。落雷におびえる若い作業員役の田村正和などはいまのスター芝居とは全然違って、大熱演系の演技をしているのも新鮮だった。

撮影には建設会社も参加しており最初からサクセスストーリーなのは承知の上。
サスペンス的な劇的な大きな展開を期待して見ていると物足りなさを覚える。
このタイプの作品は受け身で見ず、楽しみを能動的に見つけられるかがポイント。

例えば次から次にビッグな俳優が登場するので、大物俳優の芝居を楽しむ醍醐味。
個人的に一番印象に残ったのは、ビル完成もさることながら、冒頭の場面だった。

私好みの役者、中村伸郎演じる建築専門の大学教授が勇退のあいさつをするシーンが出てくる。
地震国日本の耐震構造の原理を、関東大震災で倒れなかった上野の五重の塔にあると疑わなかったこの人物。
頑丈であればよい、という「剛構造」から「柔構造」を発想し、狭い東京の高層建築化は近い将来、避けられないと訴えかける。

時代は変わるが先に起こったイタリア中部地震では、ようやく今になって耐震建築を「日本に見習え」という声が出てきている。

一歩間違えば、とんでもなく大きな危険が伴う、未知の世界に飛び込む時の勇気。
研究に研究(経験に経験)を重ね、自信に裏打ちされた中で導かれる決断力。

これは何も建築に限ったことではないですが、歴史を作る偉大な人はやっぱり違うなぁ、と凡人の私は感心しながら、自己啓発の1本として見た次第です。

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コメント

古い映画を見て、今を確認する。自分が経験できなかった時代を見る映画。たまらなく楽しいですね。樫の木と葦。どちらが強風に強いか。

でもレスラーあけぼの(曙)は弱いですね(*^_^*)

イイブログですから赤字には気をつけて!


「これは何も建築に限ったことでがないですが、」

これを読むまで全く知りませんでした。
キャストが豪華で、特に
>私好みの役者、中村伸郎演じる建築専門の大学教授
結構、ツボにはまりそうです。

確かに、優れた研究をされるかたの発想は違いますね。

最後に、あけぼのというと「お菓子屋」を思いつく自分は
つくづく凡人だと実感しました。

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