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2009年7月 8日 (水)

映画「劔岳 点の記」の木村大作監督のこと(上)

Photo_2   木村監督の初メガホン作「劔岳 点の記」(公開中)が好調だ。
出演者もさることながら、キャンペーンで全都道府県をまわった監督が、今作の「主役」だった。
コソコソ話が不可能なほど話し声が大きく、歯に衣着せぬ発言で強烈キャラの持ち主。
この性格はシャイな一面を隠すための裏返しではないかな、と私は思っている。
13日で70歳になるとは見えないくらい元気で、話せば「大作節」をさく裂させる。

 取材は、こちらを遠足前日の子供みたいな気分にさせてくれる。

 個性だけではない。どんなに毒舌でも空回りしない理由がある。
若いころからピントを瞬時に合わせる「フォーカス送りの達人」で、黒澤明監督の信頼も厚かった。
高倉健、吉永小百合など大物俳優の映画で撮影監督をつとめ、本職は邦画を代表する名キャメラマンだ。

 「劔岳 点の記」を最初に見せてもらったのは、公開の半年前の昨年末。
完成具合とマスコミ試写の始まる時期を聞くため、監督に電話してみた。
「今日、夕方やるよ。来るか?」いきなりその場で、関係者向けの試写に見に行くことが即決したりする。
試写室ではいつもより真剣に見ようと思い、張り切って最前列に座っていたら、叱られた。
「ダメだよ~。そんな前に座ってちゃあ。もっと後ろ後ろ」
前すぎると映像の迫力や美しさなどを堪能する上で、微妙に見え方が違うのだそうだ。

 映画取材で、試写室で座る場所でダメ出しを受けたのは、初めてだった。

 封切り後に監督に会った。動員130万人突破しても、まだまだ満足していなかった。
紙面上では分量が破裂するので、今だから話せる?ウェブ版用の取材をお願いしていた。
作品の立ち上げから3年間。「そういえば1日も休んでねえなあ」と平然と言う。

 監督は、たいてい睡眠不足、ヘビースモーカーで野菜嫌い。不健康まっしぐらの生活だ。
「オレはファミレスのハンバーグさえあれば十分。野菜は週一回、レバニラ食べてるから大丈夫」とおっしゃる。
お節介ながら、相当、血がドロッドロだろうな、と推測する。
「肺は真っ黒だろうし、絶対に悪い病気が見つかるから」と周囲の健康診断の勧めも断っている。

 今回の宣伝では監督自ら先頭に立ち、400媒体の取材を受けたそうだ。
気の遠くなるような地道なキャンペーンが、いま実を結んでいる。
「100%初対面だからね。知らない人に会い続けることが、正直こんなに大変だとは思わなかったよ」
しかし、木村監督は腹に不満をためない主義。筋が通っていなかったりすると、容赦なくしかり飛ばし、怒鳴る。
さすがに今回のように全国をまわりながら初対面の取材者に、それはないだろうと思ったら、違った。

 「あったよ。400回のうち5回だけだけど。頭にきて爆発したね。取材してて気持ちいい人と、このやろう!となるのがいるんだよ。そんな時は、クソミソに怒ったよ。とりあえずインタビューを事務的にやってまーす、って感じがするといつものが始まっちゃうんだな。初対面だろうと関係ない。
その記者の顔を真剣にガーッと見る。じっーと観察しながら、その記者の人生まで想像しちゃうからね」
培ったカメラマンとしての観察力は、ここでも生きている。

 監督は映画の仕事を受ける上でも徹底している。
どんな大作や話題作だろうと、最優先するのは「誰々のため」という気持ちだという。

 関係者が説得するために自宅に日参しようがお構いなし。過去に筋が通っていなかったり、言動に不可解さを残した人とは2度とやらない考えだ。
 「仕事を企画で選んだことはない。全部、人で決めてる。自分でもよく映画界で生き残ってると思うよ」

 そんな木村監督が考える大俳優、大女優の条件は何だろう。
「たたずまいだね。50年間映画やってるけど、正直いまだ演技の本当の巧い下手って分かんない。
俳優も女優も関係なく、いつも役者という肩書で見ず、人間として見てる。
オレはたたずまいに引きつけらる。たたずまいの美しい人に、気持ちがスーッと入っていくね」
今作では特に浅野忠信にそれを感じたという。

 もうこんな分量まできてしまいました。監督の話は始まったばかりですが、この続きは次回にー。

[写真]たてまえの話はなし。どんな時も本音トークの木村大作監督

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