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2010年3月 4日 (木)

中村征夫さんの「海中散歩」写真展

Gggg  東京ミッドタウン(六本木)を歩いていたら、気になる写真展(4月7日まで)をやっていたので衝動的に入ってみた。中村征夫さんといえば、水中写真の第 一人者。昨夏、放送されていたNHKのドキュメンタリーを見て以来、気になり、忘れられない人になっていた。ずっと頭の隅っこに気になることをいろいろ 持っていると、本当にそれに関連することが勝手に向こうからやってくる、という不思議な体験を時々する。

 新聞社に入って学んだことのひとつに、一枚の写真を見て、その瞬間のため、どれほど大変だったか、おおよその見当がつくようになったことだ。たまに記者会見でノロノロと間抜けな写真を撮って失敗する度、難しさを痛感するから、写真の前では謙虚でありたいと思うようにもなった。

 毎年、年末に日本橋三越で行われる報道写真展を見に行くのを楽しみにしている。いまの時代、携帯電話のカメラを始め、誰もが安易に写真が撮れる時代になってしまった。身近になった反面、写真のありがたみが減ったというか。しかし、ここに展示される瞬間の一コマの数々は歴史の記録でもあり、気の入り方が違っていて、強く迫るような力がある。そのような写真を見る度、これ以上、雄弁に語る記者の原稿など無力ではないか、とも思う。

Hhh  中村さんの写真は報道写真とは異なるかもしれないが、吸い込まれるように見入ってしまう。いつも会見などで「こちらに目線くださ~い」と、のんびり言って撮るのとは全然、違う。水中で魚に目線をもらうなんて無理だ。中村さんの写真は魚の表情(私は絶対あると思う!)に警戒心がない。見たドキュメンタリーではボンベの酸素の残量と勝負し、酸欠寸前になるまで待ち、根比べの末の撮影の過酷さ、大変さを伝えていた。命がけで撮っているといっても言い過ぎではない。酷使した体は悲鳴をあげ、全身のハリ治療を受けながら、この仕事を続けているという。

 「海中散歩」の会場に展示されている写真は、私にはすべてがスクープ写真に思える。特に参った写真は、原寸大のパネルに拡大した8メートルのジンベイザメだ。それぞれのショットに付いている絵解き(写真の解説)も印象的。撮ったときの状況や心理状態にも触れられていている。例えば「(サメの)頭がドカンと出てきて気を失った。恥ずかしながら、写した記憶はない」とある。究極のプロ精神が本能的にシャッターを切らせたのだろう。これらの多くの写真からは、仕事を超えて学ぶものが無数にあるように思った。

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