ブログ報知

スポーツ報知ブログ一覧

« 顔の写真修整(下) | メイン | 断捨離もどき »

2011年9月23日 (金)

台風15号(上)

 首都圏に台風15号が直撃した日は会社で夜勤デスク当番だった。天候の影響による交通事情で新聞の発送状況も変わる。その日はいつもより2時間近く締め切りが繰り上がり、目がまわりそうになったが、それよりも記者の方が大変だった。AKBじゃんけん大会の一夜明け情報を集めるため、秋葉原の劇場に向かおうとした記者は、山手線が動かなくなり、しばらく閉じこめられた。その間に公演の中止が決まった。3月11日の地震の日の経験は記者たちの精神面を強くしたのかもしれない。慌てず、騒がず、起こったことへの諦念を抱えながら、記者としていま出来ることの最善を尽くそうとしていた。

 取材でNHKにいた男性記者は道玄坂で倒れた木が、道路をふさぎ、タクシーを押しつぶしているところを撮るため、吹き飛ばされそうになりながら現場に向かってくれた。大きな木が根元から折れるほどの強風だ。電話で大急ぎで道玄坂に行って欲しいことを伝えたものの、万が一、何が起きるか分からないから、しばらく心配な状態が続いた。無事にメール連絡がきたときはホッとした。頑張って欲しいが、無理はしてほしくない気持ちが働く。

 締め切りが大幅に繰り上がって他の紙面ももちろんだが、毎日2枚ある芸能面も小さなスペースであっても空白で出すことは許されない。取材記者たちは、暴風雨の中で不安を感じながら、平和な芸能の記事を書くための場所確保にも苦労しながら、早い段階で原稿と写真を送ってくれていた。原稿を出すのが早い記者は、こんなとき、神様のように思えてくる。感謝、感謝である。

 自然災害を伴う取材や内勤デスクのとき、阪神大震災のときの恐怖がよみがえる。まだ携帯電話は発達しておらず、公衆電話が頼りだった。神戸で取材していた若い女性記者が、会社に連絡するためにさっき使ったばかりの電話ボックスに再び戻ると、そばの建物が倒壊し、そのボックスはペシャンコに押しつぶされていた。もし、電話しているときにその建物が倒れていたら、と想像しただけでゾッとする。今年ほど、自然の威力の恐ろしさを感じることはない。現場に行かなければ取材活動は成立しないが、命あってこそ、取材もできて記事も書けるのだ、という当たり前のことを思う。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/235990/27128653

このページへのトラックバック一覧 台風15号(上):

コメント

コメントを投稿

コメントは記事の投稿者が承認するまで表示されません。

見出し、記事、写真の無断転載を禁じます。Copyright © The Hochi Shimbun.