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2011年9月 6日 (火)

顔の写真修整(下)

 顔写真の修正は商品のコマーシャルに限ったことではない。テレビや映画、演劇のポスターなど挙げてみても、 ほとんど何らかの手が入っている。各業界の宣伝担当からは、有名な芸能人からどんな修正の注文がくるのか、いろんな話を聞くが、一般大衆のほとんどが気に していないようなパーツを「どうしても直して欲しい」と懇願されることが多いという。

 「そんなのど うでもいいのでは」と感じるようなことも、本人にとっては大きなコンプレックスになっていることが少なくない。大物クラスになれば、本人が気にしている箇 所くらいは、担当者としてきちんと把握しておくのが常識だ。一番最初の撮影の段階で、その部分や写す角度に細心の注意を払って撮らなくてはいけない。

  ときには笑いが込み上げるような修正の注文であっても、本人たちにとっては真剣そのもので修正されなければ一大事なのだ。中には「口の大きさを一回り小さ くしろ」とか無謀なことも起こったりする。この類の似た話を集めただけでも一冊の本になってしまいそうだ。修正の話とは少し異なるが、自分の取材でも直接 会ってのインタビュー(ナルシスト系の俳優)なのに当日になってマネジャーから「カメラマンなしでお願いできませんか。こちらで用意した本人の気に入った 写真でお願いできませんか」と言われて、立ちくらみしそうになったことがある。

 ずいぶん前になる が、何と俳優本人が宣伝の部屋に入ってきて、パソコンの前に座っていきなり目の修正を始めたという。鼻歌まじりに目から始まり、鼻、口、顔の輪郭までい じってしまい、あらら、原型はいずこへ。ご機嫌な本人は大満足で帰っていったそうだが、別人のような人工的な顔だけが残り、宣伝担当は、ただただぼう然と するしかなかった。

 しかも、「元の顔に戻して欲しい」とは誰も言い出せず、結局その奇妙な写真が新 作舞台のポスターやチラシに使われた。顔の整形手術の感覚と似ているのか、ひとついじると次々に変えたくなり、感覚的にマヒしていくのか。麻酔もメスも使 わず、思い通りにどんどん変えられる手軽さも病みつきにさせる理由かもしれない。

 しかし、そもそも写真と呼ぶからいろいろややこしくなってくるわけで、コマーシャルの場合はもう写真とはいわず、誰々をイメージした画像という方がよいのではないか。写真には、もはや「真」など写ってはいない、と考える方が、気楽で寛容でいられると思うのだが。

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