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2012年4月 4日 (水)

ゴールデンラズベリー賞

 その年の最低の映画、最悪の珍品が選ばれるラジー賞ことゴールデンラズベリー賞(第32回)。今回は「ジャックとジル」が見事?、史上初の全10部門を制覇して受賞したばかり。この受賞を聞いて思わず「プッ」と吹き出した。1月に日本公開で見ていて、少し思い入れがあったからだ。

 実際にチケットを買って劇場に潜入して値段で評価する紙面の「シネマ捜査」コーナーでは1300円を付け、こんな感じの原稿を書きました。
「日曜夕方の丸の内ピカデリー。客はまばら。米コメディ俳優アダム・サンドラーが兄妹の双子役を演じ分ける。おならの音で笑いを誘う場面も。反応する者は少数。本人役で出演するアル・パチーノの奮闘。『ラ・マンチャの男』の出演依頼に悩み続ける姿がかわいく、哀愁と純粋さに泣き笑いを誘発。若いカップルは『(上映時間が)91分だからまぁいいかっ』。2時間あったら怒ってた?」
 確かに日本での反応もイマイチで興行的に不発だったが、個人的に嫌いな作品ではない。1800円の入場料を払って見ることはお勧めしないが、DVDのレンタルなら、さほど損した気分にもならないはず。日本でまだ評価の低いアダム・サンドラー。女役姿は無理があって気持ち悪かったが、もう少し認められてもいいのに、と同情したくなる。
 邦画でも時々起こるが、まじめに真剣に作られたものが、完成時には、絶句するような珍品になる悲劇的なケースもある。今作の場合、狙ってどこまでバカができるでしょう、という映画だ。いまも「ゴッドファーザー」の時とは別人のアル・パチーノのコミカルな演技は忘れられないし、自宅に飾られてあるオスカー像(92年に主演男優賞)が壊され、顔を真っ青にさせる場面では大笑いした。確信犯的なおバカっぷりとサンドラーとパチーノの芝居にあるペーソスが、何とも言えない。強引にほろりとさせるラストシーンも。そんな意味で、ラジー賞イコール見なくていい、ではなく、一見の価値が少しはある作品と紹介しておきましょう。

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