小さな引っ越し
最近、社内で引っ越しがあった。部のフロアが変わっただけなのだが、整理されないまま、引き出しから物があふれ、机上にたまりにたまったものを何とかしなければならない時がきた。
どうしてこんなことになるのか。理由は自分でも分かっている。「ひょっとしたら、必要になるかも」という気持ちが働き、いろんなものを捨てることができないのだ。
別に散らかしているわけでない。決断力が劣っているのかもしれない。常に机が片付いている後輩を見ていればよく分かる。その日に取材した資料が帰る時には、迷うことなくゴミ箱へ直行している。
マネできない。勇気があると感心する。社内で断捨離している間、タイムマシーンの中にいるようだった。
引き出しから「高嶋政伸と美元の結婚会見のお知らせ」の紙まで出てきた。あら~というため息とともに手が止まった。その時は、単純にめでたいから記念に取っておこうと思ったのだ。しかも、その紙のプロフィールは入籍前。美元はいまと違う本名だった。結局、この紙は今回も捨てられず、保存のファイルにとじ込んだ。
しかし、持ち物を身軽にしなければならなかったので、かなり捨てた。「捨てる覚悟」が芽生えると、あれほど往生際が悪かったのが、今度は捨てる楽しさに目覚め、気分もなかなかそう快だ。
今回、片付けてみてはっきりしたのは、だらだらと物を捨てられないのは、本当に必要なときに必要な資料が、絶対に出てこないということだ。保存がまったく無意味で、これほど馬鹿なことはない。
これからは机の物は常に一定の量にしておこう、という基本的なテーマを自分に課し、いまのところ、広い机上スペースを保っている。
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